カードローン借り換えのメリット・デメリットとは？審査時のポイントも解説

カードローンの適用金利や返済方法は、カードローンごとに異なります。そのため、現在利用中のカードローンの返済に負担を感じている人は、カードローンの借り換えを検討するのもひとつの方法です。

カードローンの借り換えをすると、利息の支払い負担を軽減できたり、自分に適した返済プランに組み直せたりする一方で、再度審査に通過しなければならず、希望通りの借入条件になるとは限りません。

そこで今回は、カードローンの借り換えとはどのようなことなのかを中心に、メリットやデメリット、審査時のチェックポイントについて詳しく解説していきます。

カードローンの借り換えとは

カードローンの借り換えとは、契約中のカードローンからほかのカードローンに乗り替えることです。新たなカードローンから借り入れた資金で現在契約中のカードローンをすべて返済し、以後は借り換え後のカードローンを返済していきます。

カードローンは、商品ごとに適用金利やサービス内容が異なります。各カードローンの特徴の違いを比較し、自分の状況に適したカードローンを選ぶことが大切です。

おまとめローンとは別物

カードローンの借り換えと「おまとめローン」は別物です。「借り換え」とは、A社カードローンからB社カードローンへ契約を乗り換えることをいいます。

一方、「おまとめローン」とは、複数本ある借り入れを一本にまとめることで、「借り入れの一本化」を目指すものです。契約がシンプルになり、返済管理がしやすくなるメリットがあります。

カードローンを借り換えするメリット

カードローンを借り換えするメリットは、利息負担が軽減できて、返済プランを組み直せる点です。借り換えをすることで、返済負担が軽くなる場合もあります。一度じっくりと検討してみるとよいでしょう。

利息の支払負担を軽減できる

借入中のカードローンよりも金利の低いカードローンに借り換えると、金利負担が軽減できます。借り換えにより元本が減るわけではありませんが、利息の支払負担が軽くなれば、繰り上げ返済をする余裕ができるかもしれません。

借り換えにかかる手数料を考慮してもメリットの方が上回る場合は、少しでも早めに行動に移すとよいでしょう。まずは返済プランをシュミレーションして差額を比較してみることをおすすめします。

自分に合った返済プランに組み直せる

カードローンの返済が苦しいと感じている場合は、借り換えをすることにより無理のない返済プランに組み直せる場合があります。返済方式が異なれば、借入額や金利が同じであったとしても返済総額や月々の返済額が変わってくるため、実際にシミュレーションを行い、比較してみると良いでしょう。

特に、借入期間が長期にわたるカードローンを契約している方は、定期的に見直しの機会を設けることが大切です。

カードローンを借り換えするデメリット

カードローンを借り換えする主なデメリットは、借り換え先でも再度審査が必要なことです。また、審査結果によっては以前よりも返済額が増えてしまう可能性が考えられます。事前にデメリットを確認しておきましょう。

借り換え先カードローンの申込みには審査が必要

借り換えを申込んだら、審査に再度通過しなければなりません。なお、カードローンごとに審査内容や審査基準は異なります。

前回のカードローン審査以降、返済を延滞したり収入が減少したりした場合は、審査に通過することが難しい場合があります。現在契約中のカードローン審査に通ったからといって、必ずしも新しいカードローンの審査に通るとは限らないため注意が必要です。

返済総額が大きくなる可能性がある

借り換え前よりも高い金利でしか審査に通過できなかった場合、結果的に返済総額が増えてしまう可能性があります。

毎月の返済額を少なくする代わりに借入期間を長期化させると、月々の生活は楽になる一方で、完済までに要する時間が長くなります。カードローンの借り換えを検討する際は、月々の返済額だけでなく、返済総額についてもシミュレーションしておくことをおすすめします。

カードローンの借り換え審査で見られるポイント

通常のカードローンの審査と同様に、借り換え審査時も「申込者の返済能力の有無」がポイントとなります。申込者が、きちんと返済してくれるのかどうかをきちんと見極める必要があるからです。

借り換え審査ではどのようなポイントがチェックされるのか、具体的な項目を確認していきましょう。

本人の属性

申込者の年収や勤務先、勤続年数、職業といった属性についての審査が行われます。単に高収入であれば良いというわけではなく、「安定した定期収入」があるかどうかがポイントです。

勤続年数が長いほど今後も継続して勤務することが予測できるため、収入が途絶えるリスクが少ないとみなされ審査上有利になる傾向があります。他にも、住居が持ち家か賃貸か、家族構成なども含めて総合的に判断されます。

個人信用情報に問題はないか

カードローンの審査においては、個人信用情報に問題がないかも重要視されます。過去に、クレジットカードの支払いや借り入れの返済を延滞したことがないか、債務整理の履歴がないかなどについて、個人信用情報機関に情報を照会します。

個人信用情報は、申込人の返済能力を判断する上で重要な判断材料です。これまで、支払いや返済を期日通りに行い、債務整理なども行っていなければ個人信用情報は特に問題ないと判断してもらえるでしょう。

総量規制に抵触していないか

カードローン審査の大きなポイントに、総量規制に抵触していないか、ということが挙げられます。総量規制とは、「貸金業者は申込者の年収の3分の1を超える金額を貸し付けてはいけない」という決まりで、貸金業法で定められているものです。

貸金業者は貸金業法にのっとって営業を行っているため、総量規制も順守しなければならず、申込者がすでに年収の3分の1近い借り入れをしている場合は、審査に通らない可能性が高いです。

なお、銀行は貸金業者ではないため、貸金業法の影響を受けず総量規制は適用されません。ただし、ほとんどの銀行が総量規制に準じる規制を自主的に行っており、年収の２分の１まで借入れできる銀行が多いようです。

条件が良くなる場合はカードローンを借り換えましょう

カードローンを借り換えることによって、利息の支払い負担を軽減できる、自分に合った返済プランに組み直せるなどのメリットがあります。一方で、再度審査に通過しなければならない、返済総額が大きくなる可能性があるといったデメリットもあります。カードローンの借り換えを検討する場合は、メリットとデメリットを理解した上で検討するとよいでしょう。

監修者

中村 奈津紀

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
岐阜県出身。10年以上の金融機関勤務経験を経て2021年5月独立。金融機関在職中の2019年3月、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得。2020年12月、宅地建物取引士試験に合格。