1級ファイナンシャル・プランニング技能士
岐阜県出身。10年以上の金融機関勤務経験を経て2021年5月独立。金融機関在職中の2019年3月、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得。2020年12月、宅地建物取引士試験に合格。
大学や専門学校の学費が払えないときの対処法は?いくらかかるのかも解説

大学や専門学校への進学を考えているけれど、入学金はいくらくらいかかるのだろう?と気になったことはありませんか。希望の進学先に無事に入学するためには、教育資金を準備することも非常に重要です。
この記事では、大学や専門学校に入学するための入学金がいくらかかるのか、入学金以外にどのような支払いが必要なのかなどを具体的に解説します。さらに、入学金が払えない時の対処法も併せて紹介するので、入学金の支払いに頭を悩ませている人は参考にしてください。
大学・専門学校の入学金はいくら?
大学や専門学校に合格したら、決められた期日までに入学金などを納付しなければなりません。せっかく合格しても、学費の納入が間に合わないと合格した学校に入学できなくなってしまうからです。ここからは、入学までに支払う費用はどのようなものがあるのか、いくらかかるのかについて解説します。
入学時に支払うお金には何がある?
国公立大学、私立大学、専門学校では、費用の支払い時期が異なります。学校によっては、以下にあてはまらない場合もあるため、事前に確認しておく必要があります。
国公立大学では、入学手続き時に入学金を納め、入学後に授業料を納入します。授業料は前期・後期で分割納付が可能です。私立大学では、入学手続き時に入学金と授業料の一部(半期分)または全額の納入を求められる場合がほとんどです。
専門学校の場合は、入学金を納めた後に授業料や施設設備費の納入が必要です。通常、授業料等は一括納入となります。また多くの場合、入学金を納めてから授業料の納入までは、入学前の短期間で行われます。
入学金など入学時に支払うお金はいくら?
上述のとおり、進学先によって入学時にかかるお金の種類は異なります。入学金などの金額は進学先によっては非常に高額になることがあり、事前に目安をつかんでおくことが大切です。それぞれの入学金と授業料の目安を文部科学省のデータから紹介します。
国公立大学
国立大学の学費は、標準額の120%を上限に各大学が独自に決めてよいことになっています。公立大学の学費は大学ごとに決められていますが、国立大学に準じた設定です。入学金については地元出身者の優遇をする大学もあります。
項目 | 入学金 | 授業料 |
---|---|---|
国立大学 | 28万2,000円 | 53万5,800円 |
公立大学 | 39万1,305円 | 53万6,363円 |
国立大学は標準額、公立大学は平均額です。
私立大学・専門学校
私立の学校は、進学先によって学費に大きな差があります。特に医学部・歯学部・薬学部は6年制なので、かかる学費も莫大な金額になります。子どもが進学を希望する場合、学費をどのように準備するかを早めに考えておきましょう。
項目 | 入学金 | 授業料 | 施設設備費 | 初年度納付金 |
---|---|---|---|---|
私立大学文系 | 22万3,867円 | 82万7,135円 | 14万3,838円 | 119万4,840円 |
私立大学理系 | 23万4,756円 | 116万2,738円 | 13万2,956円 | 153万450円 |
私立大学医歯系 | 107万7,425円 | 286万3,713円 | 88万566円 | 482万1,704円 |
私立大学その他 | 25万1,164円 | 97万7,635円 | 23万1,743円 | 146万542円 |
私立短大 | 23万7,122円 | 72万9,069円 | 16万3,836円 | 113万27円 |
専門学校 | 24万5,176円 | 78万1,365円 | 10万2,824円 | 112万9,365円 |
出典:文部科学省 令和3年度「私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額」
入学金が払えない時の対処法
上記のデータから、たとえば私立大学文系の場合、入学時に入学金と授業料・施設設備費の半期分を合わせると約70万円が必要になります。学費の借り入れ先としてすぐ思いつくのは奨学金ですが、奨学金が受け取れるのは入学後のため、入学金に充てることはできません。そのため、入学時に必要なお金は、奨学金以外の方法で準備する必要があるのです。
準備していた教育費が不足する場合は国の教育ローンや銀行の教育ローンを検討すると良いでしょう。
国の教育ローン
入学金の準備が不足する場合は、候補として「教育ローン」が挙げられます。教育ローンは、入学前でも利用できるので、入学金や入学前に支払わなければいけない費用の支払いに充てられます。
国の教育ローンは、子ども1人につき350万円まで借りることができ、金利は固定金利の年2.40%(固定)です(2024年5月現在)。ただし、世帯の子どもの人数によって年収の上限(父母の合算)があり、年収の上限は子ども2人世帯の場合、890万円です。
最新の金利情報については日本政策金融公庫のHPをご確認ください。
国の教育ローンは利用者が多いため、申し込みから借り入れまでに通常時で約20日ほどかかります。入学シーズン(10月~3月)は、借り入れまで2〜3ヶ月ほどかかる場合もあるので、時間に余裕を持って申し込みましょう。
銀行の教育ローン
銀行の教育ローンは国の教育ローンと違い、年収などによる利用制限はありません。借りられる金額や適用金利は、利用者ごとに審査で決まります。
銀行の教育ローンは国の教育ローンに比べて、申し込みから借り入れまでの期間が短い場合がほとんどです。振込日までの日数に余裕がない場合は、銀行の教育ローンを検討してみるとよいでしょう。
大学・専門学校の学費はいくら?
入学時に必要なお金を支払ってからも、卒業するまで授業料や施設設備費などの納付は続きます。そのため、卒業時までの教育資金が十分準備できているかを定期的に確認することが大切です。
参考に、日本政策金融公庫の「令和3年度教育費負担の実態調査結果」から、各学校の在学中の学費がいくらかかるかを紹介します。
項目 | 授業料等の在学費用 |
---|---|
高専・専修・各種学校 | 116万9,000円 |
国公立大学 | 103万5,000円 |
私立大学文系 | 152万0,000円 |
私立大学理系 | 183万2,000円 |
学費が払えない時の対処法
大学や専門学校の学費は、卒業までトータルすると数百万円の多大な支出です。準備した教育資金では学費が足りないことや、親の病気や失業で学費が払えなくなることも考えられます。ここでは、そのような場合の対処法を紹介します。
奨学金
日本学生支援機構(JASSO)には、高校3年時に申請する「予約採用」と、進学後に申請する「在学採用」があります。入学時に奨学金を利用する予定でなかった学生でも、在学採用で奨学金を受けることが可能です。いずれの場合も申請の窓口は在学している学校で、申請できる時期が決まっています。利用したい場合は、学校からの案内に注意しましょう。
奨学金を受けるには、世帯収入や学生の学力の基準を満たさなければなりません。給付型奨学金の収入基準は、住民税非課税世帯または同等の低所得世帯であることです。給付型奨学金を受けられる人は高等教育の修学支援新制度により、大学等の入学金および授業料の減免も受けられます。
国の教育ローン
入学時のお金が払えない場合と同様に、在学時のお金が足りないときも国の教育ローンが利用できます。国の教育ローンは、限度額の範囲内であれば追加の借り入れが可能です。
国の教育ローンの限度額は、1人につき350万円以内です。一定の要件を満たす場合は450万円まで借り入れられます。
銀行の教育ローン
銀行の教育ローンには、「証書貸付型」と「カードローン型」があります。証書貸付型は、融資金が一括で入金され、期限までに毎月分割で返済するタイプです。
カードローン型は、限度額(極度額)の範囲内であれば、インターネットバンキング、ATMで借り入れと返済を自由にできます。子どもの卒業後は証書貸付に切り替えて毎月返済していきます。
学校に学費の延納・減額などを相談する
在学中に学費が払えない状況になっても、退学しか選択肢がないわけではありません。ほとんどの学校では経済的に困窮した学生のために、学費の延納や減額、免除など対応しています。
また、条件を満たす人なら、学校が運営する給付型奨学金が利用できることもあります。まずは学校の学生課などに相談しましょう。
学費や入学金が払えないときは銀行の教育ローンを検討しましょう
大学や専門学校に入学すると、まとまった入学金が必要で、その後も卒業まで授業料の支払いが続きます。経済状況によっては、入学金や授業料の支払いのお金が足りなくなることも考慮しておかなければなりません。
進学先が決まったら、学費がいくらかかるか、いつまでに納入するかなどを確認しておくことが大切です。お金が足りない場合には、どのように準備するかも考えておきましょう。
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