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Project
Story

02

八十二Link Nagano
立ち上げプロジェクト

銀行の新しいカタチと長野の可能性。
双方をゼロから切り拓く新規事業を。

Prologue

地域経済の縮小や気候変動問題への取り組みなど、お客さまの経営課題が変化する中、地方銀行がお客さまや地域に対してできることは何か。銀行法の改正による事業領域の拡大をチャンスと捉え、新しい銀行ビジネスの形として、八十二銀行が出した答えの一つが非金融分野に挑戦する八十二Link Nagano株式会社の設立だった。

Talk by

Project Member

神谷 健一
企画部 兼
八十二Link Nagano株式会社
代表取締役社長
2002年入行
経済学部卒

2002年入行後、個人および法人営業を10年ほど担当。その後、従業員組合へ異動となり、最終副執行委員長を経て企画部経営企画へ。現在も企画部における新規事業立ち上げを兼務しながら、八十二Link Nagano株式会社の取締役社長として会社全体のガバナンス構築・強化や事業推進を担う。

Story 01.

銀行法改正を機に、
「金融×非金融×リレーション」の新事業を。

八十二Link Nagano株式会社(以下、Link Nagano)設立のきっかけは、2021年5月の改正銀行法の施行です。これにより、銀行の業務範囲に関する規制が大幅に緩和され、お客さまに提供できる価値範囲が大きく広がることとなりました。加えて、八十二銀行が2021年6月に策定した「中期経営ビジョン2021」において「『金融×非金融×リレーション』でお客さまと地域を支援する」として、お客さまのニーズや社会環境の変化に対応するため、ビジネスモデルの変革に取組むというビジョンを掲げました。こうした動きを受けて、八十二銀行として新たな事業を展開できないか行内で検討を開始。「金融×非金融×リレーション」が活かせる新規事業を複数検討する中で、地域商社事業と電力事業の2事業を立ち上げることとなり、その事業運営を担う新会社としてLink Naganoが設立されたという形です。

新規事業を検討する上で私が強く意識したのが、八十二銀行としての強みを活かせるかという点。具体的には、①お客さまからの信用・信頼、②お客さまとのネットワーク、③財務基盤の3つ。もちろん、他にも挙げれば幾つもあると思いますが、特に強い差別化要因となる、他行には簡単に真似できない強みはこの3つではないかと感じていました。そして、それらを活かせる事業として目を付けたのが地域商社事業と電力事業だったのです。

地域商社事業が行うのは、海外向け販路開拓を中心とした顧客の本業支援。現地バイヤー向けの販路開拓を主軸に、海外消費者向けのEC関連事業、マーケティングやブランディング支援などを事業ドメインとしています。電力事業では、顧客や地域の脱炭素化の促進・実現を目的に、再生可能エネルギーを利用した「グリーン電力」の発電・供給、顧客の脱炭素化支援を手がけています。どちらも八十二銀行の強みである、顧客との強い結びつきやネットワークを活かしてLink Naganoがハブとなって「つなぐ」ことで提供価値を創出し、県内企業の事業運営に直接貢献することができます。社名の「Link(つなぐ)」には、電力網をlinkと称することも含め、「長野県を世界につなぐ」「長野県内をつなぐ」その先で、地域経済の活性化や脱炭素社会の実現を果たしていくという願いを込めています。

Story 02.

売上向上に脱炭素化の推進。
顧客や地域のニーズも
大きい重要な事業。

Link Naganoが手がける2事業は、顧客や地域、そして八十二銀行にとっても重要な位置付けにあると考えています。地域商社事業が担う直接的な本業支援は、地域の顧客から最もニーズがあり、八十二銀行としても非常に必要性の高い事業。実際に、取引先企業から寄せられる相談内容を分析したところ、約7割が売上に関するご相談でした。これまで銀行としては、ビジネスマッチングなどでサポートしていたのですが、つないだところで売上向上に貢献できない場合もありました。これをもっと直接的に踏み込んでご支援できるのが地域商社事業なのです。

電力事業もCO2排出量の削減という形で、環境意識が高まり続ける社会のニーズに直接応えることのできる領域です。また、電力事業に関連する多額の資金や収益が長野県から県外に流出しており、再生可能エネルギーを地産地消する電力事業を営むことで、地域の脱炭素化促進だけでなく、地域経済の活性化にも貢献することができます。加えて、将来的にグリーン電力の調達可否が企業立地の決め手となる可能性もあり、長野県内への企業誘致など地方創生にとっても大きな意義があります。

さらに八十二銀行としても以前から環境経営を掲げ、実践してきており、中期経営ビジョンの中ではより意欲的な高いCO2削減目標を掲げています。ゼロカーボン戦略を県として策定している長野県のリーディングバンクとしての使命を果たす上でも、八十二銀行向けのグリーン電力供給も視野に入れて脱炭素化を推進する電力事業への期待は大きなものだと認識しています。

販路拡大に課題を持つお客さまの製品を、海外の見本市などで現地バイヤーに提案していく

再生可能エネルギーを地産地消する電力事業を通じて、信州の脱炭素化促進に加え、地域経済の活性化にも貢献する

Story 03

他行にも先行事例のない未開の
道を手探りで切り拓いていった。

重要度が高いということは、それだけ責任も大きいということでもあり、ここに辿り着くまでにも多くの苦労がありました。幸いなことに、Link Naganoの設立前年度に八十二銀行として約20年ぶりの新会社となる「八十二アセットマネジメント株式会社」が立ち上がっており、この設立に担当者として関与していたので新会社の設立に関しては一定のノウハウがありました。しかし、同じ新会社設立でも、今回は非金融領域という新しいフィールドへの挑戦。本当に全くの手探りの感覚でゼロから進めていきました。

まずは地域商社および電力事業の事業構造を理解しなければ話にならないので、関連の書籍を買って読み漁るところから始めました。ただ、地道な勉強で基礎的な知識を身につけても、細かい部分や専門的なところでわからないところがあったので、関連事業をされている社外の方にアポイントを取り、直接ヒアリングをお願いしたこともあります。5、6社ほどは事業や取り組みについてのレクチャーを依頼させていただいたかと思います。社外の方の力も借りながら業界全体の構造まで理解を深め、どのポジションでどう参入していくかを考えていったという形です。

しかし、最後まで完全に不安を拭い去ることはできませんでした。特に電力事業に関しては、行内どころか他行を含めても先行事例がなく、事業として成立するかどうかは立ち上げるまで不透明。不安ではありましたが、これを事業として成立させることができれば、八十二銀行が先行事例になれると思い、なんとか前に進めていきました。

Story 04

顧客を想う気持ちを、
そのまま目の前の業務に
繋げることができる仕事。

苦労も大きかったですが、ゼロから自分で作っていく楽しさという新規事業だからこそ感じられる醍醐味を味わうこともできています。八十二銀行は「進取の精神」を大事にしており、自ら進んで困難な物事に取組むということが奨励されています。これまでさまざまな業務を経験してきたなかで、それぞれに楽しさがあり、また進取の精神が求められる局面がありましたが、今回のような道なき道を切り拓いて、自分でレールを敷いていく感覚はまた違った楽しさであり、他では得られないものだと感じています。

また、新規事業の中でもLink Naganoが手がける商社事業は、顧客と同じ目線で喜びあうことができます。商社事業の売上は、そのまま顧客の売上に直結しているので、同じタイミングで同じ嬉しさを共有できるのです。電力事業も、電気使用料をはじめとしたコスト削減や、CO2排出量削減といった顧客のメリットに直結している点では同じです。貢献実感の得やすさや、顧客を想う気持ちを目の前の業務にダイレクトにつなげられるのは、Link Naganoの大きなやりがいだと思います。

こうしたやりがいある事業であることは八十二銀行内にも広く理解してもらえているようで、Link Nagano立ち上げの際に行内人材公募で人員募集をかけた際には、想像以上の反響をいただきました。当時、まだ会社も設立されておらず、事業の詳細が不透明な部分もあったにもかかわらず、たくさんの応募をいただき、事業への期待と注目の大きさを感じました。

Story 05

本業支援と脱炭素化への
貢献を通じて、
長野の明るい未来を
拓いていきたい。

行内外からの期待や注目の大きさも力に変えながら、2事業とも初となる成約案件が誕生するなど、着実に事業として前進しています。しかし、まだ道半ば。2事業とも、目指す未来はまだまだ先にあります。

地域商社事業が目指しているのは、長野県企業が世界に簡単にアクセスできるようになり、地域が活性化していく未来。人口減少に伴う将来的な国内市場縮小が明らかな一方、中小事業者が海外販路開拓に取組むには、言語や決済、物流、情報などビジネスのインフラ面で高いハードルがあります。そこで当社が商社として売上に結びつく実効性のある取組みを継続的に行えれば、長野県産品の輸出拡大や地域の活性化、ひいては世界における長野県のプレゼンス向上にも貢献できるはず。その実績を作るべく、まずは5年以内に500先以上の本業支援関与先を創出することを目標に、販路開拓に励んでいます。

電力事業としては、持続可能な社会の実現を目指しています。長野県のゼロカーボン戦略において、県内の温暖化・気候変動問題が将来の地域の生活基盤や経済・産業面に与える影響が甚大であるとの試算が出ています。地域の脱炭素化が喫緊かつ最重要の社会課題の一つでもあるので、発電事業と再エネの地産地消を通じて、この地域課題解決に貢献していきたいです。そのためにも、直近で成約した初案件を皮切りにさらなる案件開拓を進め、10年を目安に地方銀行としては最大規模の電力会社になることを目指しています。

最後になりますが、Link Naganoを立ち上げて改めて感じたこと、それは銀行という事業、銀行員という仕事の素晴らしさです。さまざまな業界や事業に触れ、経営者の皆さんとコミュニケーションが取れる、成長できる環境があること。この経験、人脈は間違いなくLink Nagano立ち上げに活かされています。また、八十二銀行グループにはさまざまなグループ会社や機能があり、それぞれがお客さまや地域にとって大事な役割を担っています。そして、そのフィールドは今後さらに広がっていくはず。成長したい、挑戦したいという進取の精神を持った方にとっては魅力的な環境だと思います。皆さんとともに働ける日を楽しみにしています。