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Project Story

Project
Story

01

サステナブル融資プロジェクト

お客さま以上にお客さまを理解する熱意で
信州の環境経営をリードする事例を創り出す。

Prologue

日本企業が直面している課題の一つが環境問題だ。CO2排出量の削減をはじめ、企業規模・業界問わず各社が環境負荷低減のための取り組みを求められている。そして、それは八十二銀行にとっても最も重要視している領域でもある。あらゆる面からお客さまの経営を支援するためには、融資や事業承継はもちろんのこと環境経営の支援も使命と言えるからだ。その先駆け的な取り組みである「サステナビリティ・リンク・ローン」プロジェクト。その先駆的な案件についてお客さまと担当営業の対談を通じて紹介する。

Talk by

Project Member

白鳥 祐樹
南信地区支店 法人営業課長
2006年入行
経済学部卒

2006年に八十二銀行へ入行。事務やマネーアドバイザーを経験し、現在は法人営業として勤務。店頭と渉外、それぞれでキャリアを積み上げて現在は南信地区支店にて法人渉外を担当しながら、課長としてメンバーのマネジメントも担う。当プロジェクトの中心メンバーとして、現在も継続的にお客さまの支援を行っている。

Customer

下島 聡
塚田理研工業株式会社
代表取締役社長

塚田理研工業株式会社(本社:長野県駒ケ根市)は1963年に設立され、60年以上めっき加工を主力事業とし、世界に先駆けてプラスチックへのめっきの工業化に成功するなど業界を牽引。2020年9月、同社の代表取締役社長に就任し、既存事業の発展や新規事業の確立、環境経営のさらなる進化に向けて挑戦を続けている。

Story 01.

熱意ある姿勢を見て
「この人なら信頼できる」と
感じた。

白鳥
実は、このプロジェクトは最初からサステナビリティ・リンク・ローン(以下、SLL)のご相談を受けていたわけではなく、大型設備への投資を目的とした融資のご相談をいただいたことがきっかけでした。
下島
当社は、めっき加工をメイン事業として担っているのですが、当時はコロナ禍の巣篭もり需要等を背景に半導体需要が伸びていて、それに伴ってプリント基板のめっき需要も増えていたんです。また、これからはクラウドサービスがさらに伸長していくことが予想され、そうなるとクラウドデータセンターで使用される部品の特殊なめっき加工技術も引き合いが強くなっていくと考えました。こうしたニーズに対応するには、さらに高いレベルの技術と設備が必要になる。その資金のご相談を白鳥さんにさせてもらいました。
白鳥
ご相談いただいたときは「これは是非お手伝いしたい」と意気込んだのを覚えています。このご相談は単なる融資ではなく、新たな基幹事業の確立と拡大に向けた、まさに会社の未来を担うお話でした。そんなご相談をいただいたからには、なんとか力になりたいと思ったんです。
下島
本当に熱意を持って向き合ってくださいましたよね。最終的に白鳥さんにお願いしようと思ったのも、その熱意が決め手でした。実は、相談段階では他行さんにもお声がけしていたんです。ただ、どこよりも白鳥さんが本気で向き合ってくれました。
白鳥
私としても、他行さんと比較されているのはわかっていたので、必死でした(笑)。融資のご支援はもちろん、お話をお伺いしたところ補助金も利用可能だと考えたので、そちらもご提案しながら、認可が下りるように申請に係る手続きも全力でご支援させていただきました。
下島
補助金の件は本当に助かりました。当社も何度か申請したことはあったのですが、ほとんど通っていなかったんです。それも白鳥さんに正直にお伝えしたところ、何度も足を運んでもらって、製造スタッフや技術スタッフに丁寧にヒアリングして資料まで作ってくれましたよね。あの資料を見て「ウチの社員以上にウチのことを理解してくれている」と感動したんです。そのときにはもう白鳥さんなら信頼できると思うようになっていました。

Story 02.

決め手になったのは、
自社だけではない
業界全体への熱い想い。

白鳥
融資や補助金申請、その後にDX推進のご相談もいただいて、それらのご支援をする中でさらに企業理解が深まっていきました。すると、徐々に「サステナビリティの観点でもお手伝いできるんじゃないだろうか?」との気持ちが芽生えてきました。そこで、サステナビリティに関する目標を設定し、その達成度合と融資条件が連動するSLL(サステナビリティ・リンク・ローン)をご提案させていただきました。
下島
当社はめっき塗装を主力事業としているので、取り扱いに注意が必要な薬品も多く使用しています。そうした関係で、SDGsが叫ばれる前から、廃液の再利用などにも取り組み、企業として環境意識は高く持っていました。ですので、白鳥さんからご提案を受けて、素直に興味を持ちました。SLLが実行できた際には対外的な露出も増えるとのことだったので、当社へのイメージはもちろん、業界全体のイメージ向上にもつながると思ったんです。
白鳥
興味は持っていただけましたが「すぐにやろう」というほどではなかったですよね。
下島
正直に言うと、不安だったんです。素晴らしい取り組みになると思っていたんですが、実行のためには当然審査もありますし、果たしてどこまでできるかなと。でも、やはりイメージを変えたい想いから取り組むことにしました。この業界は、詳しくない方からすると、何やら得体のしれない薬液を使って環境に良くないものをばら撒いているんじゃないかと思われがち。しかし、実際にはそんなことはなく、むしろ高いリサイクル効率を誇る業界なんです。この悲しい勘違いをなんとかしたいとの想いが決め手でした。

高い質感が求められる高級車の内装品にも、塚田理研工業様にてめっき・塗装加工を施された製品が数多く採用されている

まるで金属であるかのように輝きを放つこの製品は、プラスチックにめっき加工を施されたものだ

白鳥
社長の、自社だけではない業界全体を想う熱い気持ちをお伺いして、絶対に力になりたいと私も燃えました。
下島
それは話していて感じました(笑)。その白鳥さんの熱意があったからこそ「きっと審査を通してくれる」と不安が払拭されて、決断できたんです。

Story 03

自分たちですら
気付かなかった強みを、
白鳥さんが見つけてくれた。

白鳥
これまでのお付き合いの中で、御社を深く理解できている自負はありましたし、力になれるはずだとの想いもありました。ただ、達成目標の擦り合わせが想像以上に難航してしまって。あのときばかりは少しだけ「大丈夫かな」と弱気になりかけました。
下島
あれは大変でしたね。外部の格付け機関も入る形で達成目標を定めていったのですが、当社から提案した目標がことごとく通らなかったんです。「目標と言えるほどの内容ではないのではないですか?」「達成状況を測る数字はどこまで出せますか?」とさまざまにご指摘をいただいて、議論をなかなか前に進めることができず頭を抱えましたね。でも、そんな状況を打破してくれたのも白鳥さんでした。
白鳥
御社なら金属ではなく、プラスチックのめっき加工ができる。それを自動車産業向けに提供すれば、車体の軽量化につながり、燃費向上の形で環境負荷の低減に貢献できる。そんな提案をさせていただいたんですよね。
下島
あれは、白鳥さんだからご提案いただけた内容だと今でも思っています。言われてみれば確かにその通りなんですが、今までそういう目線で見たことがなかったんです。これに限らず、昔から環境への意識を高く持って事業運営してきたばかりに、当社としては当たり前の感覚になってしまっている部分が多くありました。
白鳥
社長からすれば当たり前でも、私からすれば素敵だと思う取り組みが多くあるのは、以前から感じていました。それを素直にご提案しただけではありますが、外部の視点を持っていないと気付きにくい部分だったのかもしれません。
下島
外部の視点もそうですが、やはり何よりも当社への深い理解があったからこそ気付いてもらえたんだと思っています。週に2、3回来社いただいて、現場社員にも何度もヒアリングいただいて、その頃にはもう顔パスで事務所にも入っていただけるほどでしたから。そこまで関係性と理解を深めてくれた白鳥さんでなかったら、果たしてSLLが通っていたかどうか。
白鳥
そんな言葉をもらえるなんて嬉しい限りです。

Story 04

ローン実行はゴールではなく、
あくまでスタート地点。

白鳥
達成目標が無事に設定できたあとはスムーズに進んで、無事に当行から御社にSLLを実行することができました。通ったとわかったときは達成感もありましたが、安堵の気持ちが大きかったですね。ここまで深くご支援させていただいて実行できなかったらと思うと不安とプレッシャーも大きかったので。
下島
私としては、嬉しさ半分、驚き半分の感じでした。もちろん、白鳥さんを信じてはいましたが、提案いただいたときに感じた審査が通るだろうかとの不安が、どこかにずっとあったので「本当に通ったのか!」というのが率直な感想でしたね。
白鳥
ただ、安堵はしましたが、まだここからがスタートだとの気持ちもあります。ただローンを実行するだけではなく、SLLを通じてサステナビリティに関する取り組みをさらに深めていただき、その成果をきちんと外部の方に知っていただく。PRを通じて企業価値や業界のイメージ向上にもつなげていく。それが、私の役割だと思っているので。
下島
白鳥さんにPRをお手伝いいただくために、PRに値するような成果をきちんと出すというのが、私の役目。その過程の一つとして今取り組んでいるのが、アルミと同等の硬度を持つプラスチックへの新たなめっき加工技術の開発です。自動車は電子化が進んでいて、多くの電子機器が内蔵されるようになっていますが、モーター等からノイズが発生してそれらの機器に悪影響を与える可能性があります。その対策としては、モーターを金属のカバーで覆ってしまうことなんですが、それだと車体が重くなってしまう。それなら、軽量だけど金属と同じくらい硬いめっき加工を施した樹脂カバーで覆い、ノイズを防ごうというものです。この技術の量産化が実用化されればお客さまにも環境にも大きく貢献できるはずなので、鋭意開発に取り組んでいるところです。

Story 05

長野や日本の環境のためにも、
二人三脚で明るい未来を。

白鳥
個人としての展望は先ほどお話しした通りですが、会社としても永続的に御社に貢献できるような体制を作ることも私の使命だと思っています。個人的な思いとしては、これからもずっと御社を担当したい気持ちでいっぱいなのですが、そうもいきません。今後、後任に引き継いでも変わらぬご支援ができるよう、これまでの経緯や御社の情報や知見を綿密に共有し、記録していくことにも力を入れています。
下島
ありがたい反面、少し寂しさもありますね。ただ、そんな白鳥さんの想いに応えるためにも、技術開発だけでなく情報発信に力を入れていこうと思っています。それは、外部に対してもそうですが、内部に対しても。例えば、年度方針を社内に発表する際にも、胸を張って環境のためにこうした取り組みをしているんだと社員にしっかりと伝える。そうすれば、社員も周りにそうした話をしてくれるかもしれませんし、働くモチベーションにもなると思うんです。
白鳥
本当にその通りだと思います。ただ、情報発信に関してはまだ力不足だと感じています。今もメディア等に掲載いただいていますが、当初はもっと引き合いがあると思っていたんです。それだけの価値がある取り組みだと思っているので。
下島
でも、新聞にも取材いただいて、そこから新規のお問い合わせもいただいていますよ。兆しは見えているので、これからも白鳥さんにご支援いただきながら、長野県の環境を守るためにも一緒に頑張っていければと思っています。
白鳥
ぜひ、よろしくお願いいたします。私たちで御社と長野の明るい未来を拓いていきましょう。