開業手続きガイド


01起業をどう考えるか?

起業しようとする時に、まずリスクを考えるのがヒトの常だと思います。
『会社をつくるのはいいが、いまほどの安定した所得が保てるだろうか?』。
このアイデアは自分では納得しているけれど、うまくいくのか?』。
『資金が足りない、この金額じゃ、すぐに潰れてしまうかもしれない』などなど。

マイクロソフトの創業者 ビル・ゲイツ氏は言っています。
「リスクを負わないことがリスクだ」

リスクを考えるよりも「なにかをしたい」という“目標”や“夢”を蔑ろにするほうがよっぽどリスクです。リスクを心配することは後回しにして、「なにかをする」ための方法を知恵をしぼって考える。そして、決断したら行動することが先決です。

「でも、開業資金が足りないんじゃ、どうしようもないじゃないか」という意見もあるかもしれません。
しかし、これは「起業しない」ことを自分に納得させるための言い訳です。東急グループの創業者 小林一三氏の名言があります。

「カネがないからなにもできないという人間は、カネがあってもなにもできない人間である」

開業資金は、補助金制度や創業支援の方法を調べたり、金融機関に相談したりすれば、おおかた準備できるはずです。
まず、“どんなことをしたいのか”を明確にする。明確になったら決断。決断したら行動するのみ。そして、最初の情熱を保ち続ける。
ビル・ゲイツ氏も、小林一三氏も、こんなステップを踏んで、いまのマイクロソフトや東急グループにしたのではないでしょうか。


02開業動機

日本政策金融公庫 総合研究所が2018年に行ったアンケート調査の、“開業動機“と“事業の決定理由”をみてみましょう。

開業動機 割合
仕事の経験・知識や資格を活かしたかった 50.8%
自由に仕事がしたかった 49.2%
収入を増やしたかった 44.6%
事業経営という仕事に興味があった 36.1%
自分の技術やアイデアを事業化したかった 32.3%
社会の役に立つ仕事がしたかった 29.8%
時間や気持ちにゆとりが欲しかった 17.9%
年齢や性別に関係なく仕事がしたかった 13.3%
趣味や特技を活かしたかった 7.5%
適当な勤め先がなかった 5.8%

この開業動機を2つのグループに分けてみると…

  • 自由に仕事がしたかった
  • 収入を増やしたかった
  • 事業経営という仕事に興味があった
  • 社会の役に立つ仕事がしたかった
  • 時間や気持ちにゆとりが欲しかった
  • 年齢や性別に関係なく仕事がしたかった
  • 適当な勤め先がなかった

  • 仕事の経験・知識や資格を活かしたかった
  • 自分の技術やアイデアを事業化したかった
  • 趣味や特技を活かしたかった

Aグループの特長は、自分の裁量で仕事ができることに魅力を感じた、ということです。このような動機は、起業というステージに進むためには、とても重要なことです。現状を打破する。新しい自分になる。人間としての可能性に挑む。前向きに生きていく。こんなポジティブな気持ちが、起業をゆるぎないものにするでしょう。

Bグループの動機は、これまでやってきたことや考えていたことを具現化しようということです。実質的な要素が多いので実現性は高いかもしれません。

では、“現在の事業に決めた理由”は?

事業の決定理由 割合
これまでの仕事の経験や技術を活かせるから 42.2%
身につけた資格や知識を活かせるから 20.9%
地域や社会が必要とする事業だから 15.1%
成長が見込める事業だから 9.6%
新しい事業のアイデアやヒントを見つけたから 4.7%
趣味や特技を活かせるから 3.1%
経験がなくてもできそうだから 1.9%
不動産などを活用できるから 0.6%

半数近くが“これまでの仕事の経験や技術を活かせるから”という理由です。これに限らず、それぞれの理由はベースがしっかりしているので、起業の成功率は高いと思われます。
ただ、会社が立ち上がったら、なにかしらの商品やサービスをつくり世に送り出すのがビジネスです。その会社から生まれる商品やサービスが売れるか売れないかは、まだ未知数。市場に受け入れられるかどうかの検証は必要です。


03資金調達方法

開業、特に実際に会社を設立する段においては、ある程度まとまった資金が必要となります。使途としては会社の設立準備費用に加え、オフィスの賃貸料や備品購入代、商品やサービス関連の仕入れ代などが挙げられます。
資金調達には、以下に挙げられるような方法があります。ご自身のビジネス状況を踏まえた適切な調達手段を選択する必要があるでしょう。

自己資金

文字通り、自ら用意できる資金のことです。自分が稼いで貯めた預金のほか、会社を退職した際の退職金などを活用し、全額自己資金で会社を設立することができれば、外部からの資金調達の必要はありません。
ただし、自己資金を会社へ出資したあとは、会社の帳簿上で別個に管理されることになりますので注意が必要です。

共同出資

自分一人では資金を賄いきれない場合、親族や信頼するビジネスパートナーに会社に対して出資をお願いすることで、資金調達をする方法を選択することも多くあります。
この場合、出資者は単に資金を出すだけではなく、相応の経営権を持ちたいと考えるケースも多いため、実際に共同出資を選択する際には、経営面と財務資金面の総合的な判断が必要です。

金融機関からの融資

政府系銀行や都市銀行、地方銀行などの各金融機関では、一定の審査条件をみたす会社に対して、会社設立に必要な資金を貸し付けします。借入可能な期間や金額、借入利率などについては金融機関ごとに個別で設定されていますので、詳細条件をよく確認した上で申し込みをする必要があります。

補助金や助成金

経済産業省など国の機関や各都道府県をはじめとする自治体では、補助金や助成金制度が設けられています。申請条件をみたし、必要書類を提出することで、会社設立資金の一部を支給してもらうことが可能です。
なお、基本的には、支出した費用を会社設立後に申請して受け取る「後払い」制となっていることが多いため、補助金や助成金を申請する場合であっても、会社が一時的に支払いのための資金を確保しておく必要があります。


04開業に必要な書類について

新しい会社を設立するときは、定款を作り、税務署に届出をする必要があります。このことはよく知られていると思いますが、それだけで完了するわけではありません。
資本金や所在地といった会社の基本情報は、会社に看板として掲げ、なおかつ誰でも知ることができるようにする(登記する)必要があるのです。

法律上は「商業登記」と呼ばれる法人登記。株式会社や合同会社などの法人を設立するときには、この商業登記を申請することによって、自社の基本情報を法務局で公示しなければなりません。

登記の申請は、会社設立から2週間以内に行わなければなりません。これを怠ると、取締役や発起人らに対して過料という行政罰を科され、最高で100万円の金銭をペナルティーとして納めなければならない場合があります。

※ちなみに、個人事業主は商業登記をする必要はありません。税務署に個人事業の開業届を提出すれば、すぐに事業を開始することができます。

このように、会社の設立前後では様々な種類の書類を作成し、提出する必要があります。
会社設立前後で提出が必要となる書類一覧をまとめました。

①定款の認証に必要な書類

  • 定款3通(電子定款の場合は1通)
  • 発起人全員分の印鑑証明書
  • 収入印紙(電子定款の場合は不要)
  • 発起人の実印、代理人の場合は認印と委任状
  • 身分証明書

株式会社の場合は定款認証の手続きが必要になります。

②登記申請に必要な書類

  • 登記申請書
  • 登記免許税納付台紙
  • 払込を証する書面
  • CD-R(登記すべき事項のファイルを格納)
  • 定款
  • 発起人決定書
  • 就任承諾書(代表取締役、取締役、監査役)
  • 取締役全員の印鑑証明書
  • 印鑑届出書

公証役場でもらった定款のほか、登記を申請するための書類が必要となります。

③登記後、税務署に届け出が必要な書類

  • 法人設立届出書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書

④登記後に市区町村(自治体)に提出が必要な書類

  • 定款の写し
  • 登記事項証明書

地方自治体には地方税の支払をするために、開業の届け出を提出する必要があります。

⑤労働基準監督署とハローワークに届け出をする書類

労働基準監督署とハローワークには、労働保険の加入の手続きをするために書類を提出する必要があります。労働保険とは労災保険と雇用保険の2つの総称で、労災保険の手続きは労働基準監督署、雇用保険の手続きはハローワークで行う必要があります。

労働基準監督署で必要な書類

  • 労働保険関係成立届
  • 労働保険概算保険料申告書

ハローワークで必要な書類

  • 雇用保険摘要事務所設置届
  • 雇用保険被保険者資格取得届

05開業の相談先や情報収集先は?

長野県では「日本一創業しやすい県づくり」を目指し、相談窓口での相談・助言、ホームページやFacebook等による創業支援策などの情報提供、各種創業セミナーの開催、地域の支援機関と連携による支援を行っています。

相談窓口

八十二銀行の創業相談窓口

https://www.82bank.co.jp/hojin/shikin/take-off/lp_moushikomi.html
創業に関するご相談は、下記電話番号やご相談フォームで、受付しております。個別相談や各支店担当者へのお取次ぎ対応もいたします。お近くの本支店窓口でも対応いたしますので、お気軽にご相談ください。
TEL : 0120-678-082
 <受付時間は平日の9時00分~17時00分>
ご相談フォーム : https://www.82bank.co.jp/hojin/shikin/take-off/lp_moushikomi.html

ながの創業サポートオフィス

https://www.icon-nagano.or.jp/sogyo-office/
県では、公益財団法人長野県中小企業振興センターに「ながの創業サポートオフィス」を設置しています。創業・ベンチャー推進員(長野2、松本1)が創業前から創業後まで一貫したサポートを行い、必要に応じて支援機関との連携や専門家の派遣も実施します。
TEL : 026-269-7359 <受付時間は平日の8時30分~17時15分>
E-mail : sougyou@icon-nagano.or.jp

補助金

ソーシャル・ビジネス創業支援金(長野県地域課題解決型創業支援事業創業支援金)

https://www.pref.nagano.lg.jp/keieishien/sangyo/shokogyo/sogyo/sogyouhojokin.html
地域の課題をビジネスの手法で解決するソーシャル・イノベーションによる創業を支援するため、起業に要する経費について補助金を交付します。

税制

創業等応援減税

https://www.pref.nagano.lg.jp/keieishien/sangyo/shokogyo/keiei/genze.html
長野県内で新たに設立された中小法人(資本金1,000万円以下)の法人事業税を3年間全額課税免除します。(4年目は3分の2、5年目は3分の1免除)

イベント・講座

信州ベンチャーコンテスト

https://www.shinshu-vc.org/
創業意欲を高めるとともに、「信州を元気にする」新規のビジネスプランやビジネスアイデアを持つ皆さんに発表の場を提供し、プランやアイデアの実現を促進。
起業部門、アイデア部門、高校生部門を設けて、「信州を元気にする」新規のビジネスプランやビジネスアイデアを発表していただき、優れたプランやアイデアを表彰します。また、参加者や支援者(サポーター)とのマッチングや交流などを行います。

信州ベンチャーサミット

https://www.facebook.com/shinshu.venture.summit/
上場企業の経営者による基調講演、起業家ピッチ、起業家と有識者による討論会など。

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