資金調達ガイド


01法人での青色申告

個人事業主だけでなく、法人にも法人税の納付方法に青色申告があります。その具体的なメリットは以下の点です。

  • 欠損金の繰越控除
  • 欠損金の繰り戻し還付
  • 少額減価償却資産の取得価額の損金算入
  • 法人税額控除制度

控除の大きい青色申告ですが、デメリットは手間がかかることです。青色申告では、正規の簿記、すなわち多くの一般企業で実施されている「複式簿記」で、事業の売上、費用、資産の動きを、「借方」「貸方」で捉えて、記帳していく必要があります。

また、確定申告時に提出する帳簿類も、複式簿記で作成した決算書「損益計算書」「貸借対照表」を確定申告書とともに提出する必要があります。

税理士と契約していない場合、自分で記帳を行うことを検討する方が多いのですが、多くの企業では、会計ソフトを使い、効率化を図っています。

法人青色申告の申請方法

青色申告を開始する際には、税務署に「青色申告の承認申請書」の提出が必要です。会社を設立した初年度については、設立から3ヶ月以内に提出します。設立から3ヶ月以内に事業年度が変わる場合は、その事業年度終了日の前日までの提出が必要です。

提出先は納税地を所轄する税務署長です。税務署の窓口へ持参もしくは郵送で提出します。1日でも遅れると、適用できないため、窓口の開設時間や郵送にかかる期間も十分留意しましょう。


02助成金・補助金

日本には数多くの助成金や補助金がありますが、主催している団体はおもに4つ。
経済産業省、厚生労働省、地方自治体、民間団体・企業です。
サポートする目的やサポート対象となる事業・企業がそれぞれ違います。

助成金や補助金を探すための方法として、中小企業庁の委託事業である「ミラサポ」から探す方法があります。国や全国の自治体が募集している補助金や助成金、さらには税制優遇まですべて検索できます。

ミラサポ

https://www.mirasapo.jp/


03銀行から借りる

企業活動とは切っても切り離せない関係にあるのが融資。事業拡大のために融資を受けたり、支払いのために銀行口座を利用したりと、企業と金融機関との関わり方は多岐にわたります。

そんな金融機関の代表格が「銀行」。銀行から資金を借りる場合、どのようなことを念頭におけば良いのでしょうか。

都市銀行

都市銀行は支店網やATM網などを全国に張り巡らせて、全国で銀行サービスを行っています。三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など特に大きな銀行はメガバンクと呼ばれています。
その規模を活かし、巨額の融資や国際的な取引など高度なサービスを取り扱うことができます。また、証券会社や信託銀行をグループ内に有していて、銀行業務だけでなく様々な金融サービスを提供できるのが強みです。

一般的に取引の規模が大きく、大手企業相手の取引が中心となっています。

地方銀行

都市銀行は全国に幅広く支店網を広げて営業しているのに対して、地方銀行は特定の地域に深く密着した営業をしています。例えば、地方自治体や公立学校などの各種集金の自動引き落としを一手に引き受けるなど、その地域において盤石な基盤を持っていることが特徴です。そのため、地場の大手~中堅、中小企業との取引が中心に行われています。

県や市町村が創業者向けに準備している制度資金の取り扱いをしている他、銀行独自で創業者向けの商品をラインナップしている場合もあります。

日本政策金融公庫

https://www.jfc.go.jp/

新規開業資金として使えるものは以下の通りです。

  • 女性、若者/シニア起業家資金
  • 再チャレンジ支援融資(再挑戦支援資金)
  • 新事業活動促進資金
  • 食品貸付
  • 生活衛生貸付(一般貸付、振興事業貸付および生活衛生新企業育成資金)
  • 普通貸付(食品貸付または生活衛生貸付の対象となる方が必要とする運転資金)
  • 企業活力強化資金
  • IT資金
  • 海外展開資金
  • 地域活性化・雇用促進資金
  • 事業承継・集約・活性化支援資金
  • 環境・エネルギー対策資金
  • 社会環境対応施設整備資金
  • 企業再建資金(第二会社方式再建関連)

04八十二銀行の取り組みについて

八十二銀行では、創業を目指す皆様への情報提供として、商工会や商工会議所等と連携し「創業セミナー」の開催や、長野県等と連携し「信州ベンチャーコンテスト」や「信州ベンチャーサミット」を主催しています。ぜひご参加ください。

創業に関するご相談に各支援機関の皆様と連携してご対応しています。また、創業を応援する資金として創業応援資金「テイクオフ」や県の信州創生推進資金(創業支援向け)などを取り扱っています。資金の内容や特徴をご紹介します。

八十二銀行 創業応援資金 〈テイクオフ〉

https://www.82bank.co.jp/hojin/shikin/take-off/lp.html

「創業応援資金〈テイクオフ〉」は6ヵ月以内に創業を予定している方もご利用いただけます。例えば「飲食店の開業にあたり、店舗の改装資金が必要な場合」や「開業に必要な設備、備品の購入資金が必要な場合」等、幅広くご利用いただけます。

個人の方で「創業応援資金〈テイクオフ〉」をご利用いただく場合には、団体信用生命保険にご加入いただけます。団体信用生命保険は死亡または高度障がいを患う等、お客さまに万が一のことがあり、事業継続が難しくなった場合に以後のご返済負担がなくなる保険です。

「創業応援資金〈テイクオフ〉」をご利用いただいた創業後3年目までのお客さまが、公的補助で利用できる専門家派遣回数を超えた場合、専門家派遣費用の半額を八十二銀行が補助いたします。
「飲食店を開業したいので、店舗設計や商品開発のアドバイスをもらいたい」、「新しく事業を始めたいけど、課題の解決方法がわからない」等、お客さまの課題やニーズに応じ、豊富な支援実績とノウハウを持つ専門家をご紹介いたします。

また、「創業応援資金〈テイクオフ〉」をご利用いただいたお客様が、県内のコワーキングスペースに入居される場合、八十二銀行が月額入居料の2ヵ月分を負担いたします。「働くための場所が欲しい」「新たな人脈を作りたい」そんな時はコワーキングスペース等をご活用ください。

信州創生推進資金《創業支援向け》

https://www.pref.nagano.lg.jp/keieishien/sangyo/shokogyo/kinyu/chusyo-yushi/ichiran/sogyo.html

新規開業予定者及び新規開業者(創業した日から5年未満である方)を対象に、貸付利率年1.1%で最大5,500万円(運転資金・設備資金)まで融資を行う制度です。
※2,000万円までは自己資金不要


05業種別に見た資金調達実例

ここからは具体的に、いくつかの業種を例として設備資金・運転資金の調達状況を見ていきましょう。

美容院の開業のために資金調達の事例

設備資金:600万円 運転資金:100万円 計700万円

顧客からは現金で支払いを受けるいわゆる現金商売であり、運転資金の借入は小額なのが一般的です。設備資金については、椅子の他、内装等に投資が必要になります。

飲食業店(居酒屋)

設備資金:400万円 運転資金:100万円 計500万円

こちらも顧客からは現金で支払いを受けるいわゆる現金商売ですが、食材や飲み物の仕入が発生します。一方、設備投資は、内装や厨房関連の改装費用が必要となります。

自動車小売業

運転資金:500万円 

自動車の仕入は金額がおおきいため、運転資金の借入額も大きくなります。
事務所の備品については、リースを利用し、設備資金の調達を行わないケースもあります。


06資金調達に必須の事業計画書

ビジネスをスタートする上で、事業計画書(創業計画書)は以下のような理由で必要です。 

1. 自分自身でアイディアを整理するため

ビジネスではたくさんのお金や多くの人物が関わり、時には自分自身の人生を大きく左右することも。不測の事態が起こって、アイディアの実現を諦める状態にならないためにも、あらゆるリスクについて把握・対策を練っておくことが必要になります。

2. 事業のアドバイスをもらうため

ビジネスアイディアに自信が持てないときなどに、事業についてプロにアドバイスを求める場合もあります。そんなときにまず求められるのが事業計画書です。

3. 融資や助成金・補助金の申し込み

創業の融資申し込みにおいては、事業計画書を作成し、審査を受ける必要があります。審査に通るかは、起業創業にかける熱意やスキルも重要ですが、事業計画書の内容も非常に重要です。

会社や事業そのものの信頼にもなりうるとても大切なものなのです。

八十二銀行では、最寄りのご相談窓口にて、ご要望や計画を伺いながら、一緒に創業計画書を作成するお手伝いもさせていただいております。

八十二銀行 創業応援資金 〈テイクオフ〉


07業種別の事業計画書記入例

前項のように重要な役割を持つ事業計画書(創業計画書)ですが、その書き方については基本的に統一ルールや雛形というものがありません。様々な業種業態で、自由な新規ビジネスが計画されるため、雛形がないのは当然ですが、それゆえに新規創業・開業を考える人にとってはどのような書き方をしたらいいか、迷ったり時間がかかったりするものです。

また、実際の事業計画書(創業計画書)の実例がネットで見つかることもほぼあり得ないため、創業者にとっては、ますます参考材料がない書類の一つです。

そこで、創業計画書の例を、業種別にいくつかご紹介させていただこうと思います。

飲食店の例

飲食店の例

飲食店の例をPDFで見る

製造業の例

製造業の例

製造業の例をPDFで見る

療養業(整骨院)の例

療養業(整骨院)の例

療養業(整骨院)の例をPDFで見る

これらの実例をベースに、ご自身のビジネスの計画書を見直してみてはいかがでしょうか?

八十二銀行では、最寄りのご相談窓口にて、ご要望や計画を伺いながら、一緒に創業計画書を作成するお手伝いもさせていただいております。
創業計画書.xls

八十二銀行 創業応援資金 〈テイクオフ〉

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