車の購入、現金一括とカーローンのどちらがいいの？それぞれのメリット・デメリットを解説

車は高額商品なので、現金一括以外の支払方法を検討している人も多いでしょう。車を一括購入できる資金があったとしても、手持ちの現金が少なくなるのは心配なものです。

現金一括は、カーローンと比較して金利の負担がかからないため総支払額を抑えられます。一方で、カーローンを組めば、金利の負担は生じるものの手元資金が急激に減少することがありません。

この記事では、車を現金一括で購入する場合とカーローンを利用する場合のメリット・デメリットを紹介します。車の購入費用の支払い方法に悩んでいる人は参考にしてください。

車を現金一括で購入するメリット

現金一括で車を購入してしまえば、以降は車体代金や利息の支払いが不要です。ここからは、車を現金一括で購入するメリットを詳しく解説します。

金利の負担がない

車を現金一括で購入すると、ローンで購入した場合にかかる金利の負担がありません。金利の支払いが不要なため、ローンを組んだときに比べて総支払額を抑えられます。ローンを組むと返済日を毎月気にしなくてはなりませんが、現金払いをしてしまえばその心配は要りません。

車が自分のものになる

現金一括で購入した場合、購入者本人が車の所有者になります。一方で、ディーラーローンを組んだ場合は販売会社などが所有者になるため、完済まで車は自分のものにはなりません。車を現金で一括購入し、自分のものになれば、売却や他人に貸すなどの処分がいつでもできるほか、カスタマイズも自由です。

車を現金一括で購入するデメリット

車を現金一括で買うと、手元のお金が一気になくなります。現金一括で購入する場合のデメリットも確認しておきましょう。

手元資金が大きく減る

車の購入には、100万円以上のお金が必要となる場合がほとんどです。現金での一括購入は、手元資金が大きく減るのでいざという時に困ることがあるかもしれません。

一般的には、月間生活費の6カ月分を生活防衛費として準備すべきと言われています。現金払いをする場合は、急な支出にも対応できるように、しっかりとマネープランを立てましょう。

希望する車が買えないこともある

希望する車を現金一括払いで購入するためには潤沢な自己資金が必要です。自己資金の不足により、グレードを下げたり、車種を変更したりすることもあるでしょう。希望に合わない車で不便な思いをするのであれば、資金の不足分をカーローンで補うのも選択肢の1つです。

車をカーローンで購入するメリット

現金一括での購入が難しい人でも、ローンを利用すれば車を手に入れることができます。ここからは、車をカーローンで購入するメリットを解説します。

現金がなくても車が買える

カーローンは、審査に通過すれば自己資金がなくても利用できます。どうしても車が必要な場合は、お金が貯まるのを待てないこともあるでしょう。ローンが利用できれば、まとまったお金を準備できなくても車を買うことができます。

無理のない資金計画が立てられる

現金一括での購入資金を準備できる人でも、手元の現金が大きく減ると、いざという時に不安ではないでしょうか。もしもの時に備えたい場合は、車の購入資金の一部をカーローンで補うこともできます。

ローンを利用すれば、手元にお金を残せるのでいざというときも安心です。また、家計の状況に応じて無理のない返済額や返済期間にすることもできます。

カーローンは金利が低い

一般的に、カーローンは金利の低いローン商品です。たとえば、資金使途が自由のカードローンは10%以上の金利がかかるものもありますが、カーローンの金利は高くても4%程度です。低金利でお金を借りられるローンを賢く利用し、手元の資金を有効活用するのも選択肢のひとつです。

銀行ローンの場合、自分の名義になる

通常、銀行でカーローンを組むと、車は購入者本人の名義になります。所有者が自分であれば、車の処分も自由です。ローン返済中に車を売却し、売却代金でローンを返済することもできます。

銀行のカーローンは繰上返済できる

銀行のカーローンは繰上返済が可能なため、一括返済してしまえば利息を支払わなくてすみます。まとまったお金が用意できた時などに繰上返済すれば、支払総額を抑えられます。ただし、繰上返済には手数料がかかる場合があるので、事前に確認しましょう。

車をカーローンで購入するデメリット

カーローンは、車を手に入れるための選択肢のひとつですが、利用時に注意すべき点があります。車をカーローンで購入するデメリットも確認しておきましょう。

金利がかかる

カーローンを利用するには金利を負担しなくてはなりません。長期のカーローンを組んだ場合、月々の支払いは楽になる一方で、金利の負担は大きくなります。ローンを利用するなら、あらかじめ毎月の返済額や総返済額などを試算しておきましょう。

→八十二銀行でマイカーローンのシミュレーションをする

複数のローンを併用する場合、返済負担が大きくなる

カーローンと他のローンを併用する場合も、毎月の返済負担は大きくなります。リストラなどで収入が途絶えると、返済が苦しくなり、精神的にも不安になるでしょう。複数のローンを併用する場合は、無理のない返済計画を立てることが重要です。

ディーラーローンは自分名義にならない

ディーラーでローンを組むと、ローンを完済するまではディーラーや信販会社が所有者になります。所有者でないと車の処分はできないため、車を売却するためにはローンを完済する必要があります。

ローンの審査に通らないこともある

カーローンを利用するためには、銀行や信販会社の審査に通過しなければなりません。返済能力の確認が必要なため、審査は必ず行われます。過去に延滞や債務整理の経験がある方は、審査の通過が難しい場合があります。

最近は、WEB上で手続きが完結する「WEB契約」が可能な銀行が増えており、ローンの審査スピードも向上しています。早ければ、申し込みから数分で審査結果が分かる銀行もあるので、審査に通るか自信のない人も、まずは申し込んでみるとよいでしょう。

→八十二銀行のマイカーローンの仮審査をする

現金一括購入は嫌がられるって本当？

車の現金一括購入が嫌がられるという話を聞いたことはないでしょうか。ここでは、その理由について解説します。

ディーラーはローンで手数料を稼ぎたい

ディーラーにとっては、ローン手数料が大きな収入源になります。そのため、ローンを利用してもらった方が手数料を得られるため、販売側にとってはメリットが大きいです。

もちろん、一括購入をするからといって嫌がられることはありません。しかし、現金一括よりもローンを利用する方が、値引きやオプションの交渉がしやすくなる場合があります。

現金一括払い以外なら銀行のカーローンがおすすめ

金利の負担がない現金一括払いを誰もが選択できるわけではありません。次なる選択肢としては、ディーラーローンより低金利で借りられる可能性のある銀行ローンがおすすめです。資金に余裕ができれば繰上返済もできるので、まとまった資金が確保できるまでの方法として検討してみるのも良いでしょう。

自分に適した車の購入方法を選びましょう

車を現金で買うか、カーローンを利用するかのどちらがいいかは一概にはいえません。潤沢な資金がある人やお金を借りることに抵抗がある人は、現金一括購入が適しています。

カーローンには、銀行のローンとディーラーのローンがあります。総支払額を抑えたい人には、金利の低い銀行ローンがおすすめです。100万円単位の車購入費用を一気に支払うことが難しい人は、カーローンを検討するとよいでしょう。

監修者

中村 奈津紀

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
岐阜県出身。10年以上の金融機関勤務経験を経て2021年5月独立。金融機関在職中の2019年3月、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得。2020年12月、宅地建物取引士試験に合格。