研修センター秘話

企業とは人である

『菁々楽育材』に込められた思いは
研修所とともに脈々と。

平成26年4月、人材成長戦略のベースとなる新しい研修所が完成した。これは旧研修所の老朽化を受け、八十二銀行創立82周年の記念事業の一環として建て替えられたもの。周囲の目を引くスタイリッシュな外観に、特殊な断熱ガラスや地熱を利用した空調、既存林の活用など各部に工夫が施された構造で、利用する職員からの評判も上々だ。

新研修所には旧研修所から受け継がれたものがいくつかある。そのひとつが所内に掲げられた、飯島正一元頭取(在任期間 昭和19年~26年)揮毫による「菁々楽育材」の額。出典は中国最古の詩集・詩経の一節「菁々者莪 楽育材也~」で、“菁々”とは、草木が生い茂って盛んなさまをいい、“菁莪”は転じて人材教育の意味を持つ。 行員をわが子のように育て、行員からは父のように慕われていたという飯島元頭取。「菁々楽育材」には、行員一人ひとりが青々と茂る草木のように能力を伸ばし、自己実現を果たしていくようにという願いとともに、人材を育むことの大切さ、そして成長していく姿を見る楽しみ、そうした元頭取の思いが込められている。

実は、研修所が建つ場所は、飯島元頭取の私邸『夜雨荘』があった敷地の一部。長野市の中心に近く、自然環境にも恵まれた場所で、昭和38年3月に着工して同年12月に地上3階、地下1階の建物が竣工した。教室のほか図書室、談話室、宿泊設備も備え、その後50年余にわたって当行の研修に使用されてきた。
研修所建設には、昭和30年代の高度経済成長のもとで賃金水準が上昇し、給与も年功序列から職能給型へ移行し始めていたという背景がある。資格別の人事考課や資格に応じた教育訓練の必要に迫られ、得意先係研修や監督者研修などの研修を開始する一方、昭和36年、人事部に研修課を新設。集合研修の活発化に伴って専門施設の必要性も高まり、研修所建設へと動くのである。

現在、飯島元頭取が遺した「菁々楽育材」の精神は、自己啓発を支援する休日自主参加研修『菁菁塾』に受け継がれている。ここでは銀行業務に関する専門知識のみならず、コミュニケーション力を高める講座など多彩な研修が用意され、多くの職員が参加している。