信州発世界へ。多くのお客さまがグローバルにビジネス展開する昨今、八十二銀行はお客さまの海外進出、貿易取引、海外での資金調達といった金融面のほか、海外販路拡大などを総合的にサポートしている。支店の担当者と連携し、専門的な知識とネットワークを駆使して信州と海外を結びつけるのが国際部だ。海外での資金調達や販路拡大、資金決済など、多様なメニューで海外事業の発展に貢献していく。

激動する世界をフィールドに
飛躍を期す企業と当行の次なる一手を。

リーマン・ショック後、
異国の地で感じた
お取引先企業の気概。

2010年早春、国際部に籍を置く中倉正雄は、トレーニーとしてタイのカシコン銀行へ赴いた。世界経済を揺るがすリーマン・ショックが起こったのは、その2年前。日本では円高が進み、国内市場は縮小していた頃だった。
「国内が頭打ちなら外国へ打って出よう、海外にも拠点を作って生き残ろう、と考える企業がたくさんありました。そういった企業は日本の景気が悪いからといって決して悲観していない。皆さん前向きで意欲的でした。数年間を振り返ってみて、あの頃が長野県の製造業取引先が海外での工場建設を検討する最も盛んな時期だったと思います」。
当時、中倉が赴任していたタイのバンコクをはじめ、ASEANの各都市はビル建設ラッシュの真っ只中。街全体に活気があふれていた。
そして現在。長野県の企業は中国を中心とした海外にも工場や営業所を設けているところが多く、海外進出支援はもちろん、現地での事業サポートも重要なミッションとなる。国内における設備投資が低迷している今、各企業の現況を知るのはもちろんだが、目指すべき方向やこれから現れるであろうニーズなど常に先を読み、“旬”を逃さずお客さまのサポートを行うことが肝要なのだ。

リスクをとる覚悟がなければ
リターンは期待できない。

国際部にはいくつかのグループと課がある。現在、中倉が所属する国際企画グループは、香港支店を筆頭にシンガポールやバンコク、上海にある3つの駐在員事務所、さらに各国の提携銀行を含めた八十二銀行の海外拠点の統括が主たる仕事だ。
以前は、同じ国際部の中でも国際推進グループにいた。ここは、海外で事業を展開している各支店のお取引先への融資や外国為替を中心に様々な提案・情報提供を行なっている。円滑な業務遂行のためには、支店担当者やお客さまとの緊密な連携が欠かせない。
「着任当初は、お客さま、支店、本部の三者間の連携をとることに苦労しました。支店に出向いたり、お客さまのところに足を運んだり。東京・名古屋・大阪の支店を担当していた時期もありましたから、週の半分は出張。お客さまの中には日本を代表する大企業もあれば、本社が東京にあって長野に工場があるという企業もあります。業種も商社あり、メーカーあり、小売業あり、さまざまな企業の方と関わってきました」。
経営は博打ではない。しかし、「現状維持ではなく、将来の発展のためには、ある程度リスクをとる覚悟がないとリターンは望めないと感じています」と中倉は言う。そして「それは、八十二銀行の今後についても言えることかもしれない」と言葉をつなぐ。
金融業界全体が過渡期を迎えている今、お客さまに喜んでいただけるサービスはどのようなものか、海外の提携銀行との協力関係をより良いものにするにはどうすればいいか、国際部のひとりとして中倉は日々考えを巡らしている。

自分を決めつけず、
可能性を広げるスキルアップを。

中倉が国際業務に興味を持ったのは、支店に勤務していた時に参加した外国為替の研修がきっかけだった。
「当時、私は融資相談担当で、融資や事業の再建をお手伝いしたりすることが主な業務で、大きなやりがいを感じて日々取り組んでいました。その中で参加した外国為替の研修で講師をしてくださったのが、海外業務経験が豊富な国際部の先輩行員。その先輩の話を聞いて、こういう銀行員生活もあるのだ!と驚いて、それまでとは違う世界に目を向けるようになりました」。
自分も将来、国際業務をやりたいと希望を出した結果、カシコン銀行ヘの赴任がかなった。帰国後、首都圏の支店勤務を経て今は国際部で活躍する。
自身の経緯を振り返り、「最初からやりたい業務を絞って頑張るのもいいと思いますが、八十二銀行にはたくさんの仕事がある。入行後も自分で自分を決めつけず『もっと面白い仕事があるかもしれない』『もっと自分に合う仕事があるかもしれない』と、いろいろな業務に関心を持って、そのうえでスキルアップしていってほしいですね」と後輩たち、さらには未来の新入行員たちへのエールで締めくくった。

キーワード

トレーニー

「研修生」と訳される。当行では特定分野のスキル・ノウハウ伸長を目指して一定期間本部や外部機関等の専門セクションで行員を受け入れ、研修を実施する制度。「外為業務トレーニー」などがある。本文に戻る

カシコン銀行

タイの大手銀行。八十二銀行は2005年に業務提携を締結したが、これは地銀で最も早い締結だった。当行も行員をジャパンデスク等に派遣しており、進出企業のサポートをしている。カシコン銀行を含めて14行の海外提携銀行がある(2017年3月現在)。本文に戻る

外国為替(外為)

国際間取引(輸出入等)で生ずる支払等を為替(手形や小切手等)で決済すること。略して外為(がいため)と呼ばれる。この時に用いる通貨の交換比率を「外国為替相場」という。本文に戻る

融資相談(法人店頭)

法人営業の係の一つ。主に支店の店頭で、融資等の提案を行う職員。開業・創業の相談受付や、事業再建計画の策定なども実施する。「法人店頭」と呼ばれることもある。本文に戻る